検視官シリーズ雑感1

小説

 

 検視官ケイスカーペッタが活躍するシリーズ11作目審問を読み終えました。このシリーズは緻密な科学捜査によって主にセックス殺人や猟奇殺人について女検視官ケイ・スカーペッタと相棒となるマリーノや捜査チームが真相に迫っていきます。検視や捜査の描写は緻密であり、名探偵の灰色の脳細胞のひらめきで全てが解決するわけではありません。殺人事件だけでなく、どのシリーズでもスカーペッタは個人的な問題について解決する必要が生じ、(人間関係、仕事上のトラブルなど様々)メロドラマティックな側面もあり、CSI:科学捜査班のような海外ドラマを見る感覚で読むことができます。

 検視官シリーズを11作目まで読んでまず思ったのは、この検視官シリーズには不当に貶められる女性が本当に多く登場するというものでした。主人公の女検視官スカーペッタ、事件を追うにつれ友達になった記者のアビー、天才的な頭脳の持ち主であり姪のルーシーなどほぼすべての作品で、殺人事件の被害者とは別に(間接的には関係することは多い)女性たちがさまざまないわれない被害を被ることになります。著者のコーンウェル自身女性として意識的にこのような構成が多くしているのか、たまたまそうなっているのかはわかりませんが、スカーペッタだけでなく、敵対する人間や容疑者についても活躍する女性が多く登場し、男社会である犯罪捜査の現場において際立っています。
 今回読んだ「審問」でもスカーペッタ自身が前作の殺人事件の容疑者として疑われたり、友達であり、精神科医のアナが少女時代望まない性行為を強いられていたことを打ち明けるなど女性たちの苦労が描かれていました。

 今回読んだ審問では、原題『THE LAST PRECINCT』という新たな組織への挑戦が示唆されましたが、次作以降もマリーノの息子カジアーノやジェイタリーなど新しい大きな敵とどのようなストーリーが展開するのが楽しみです。

 

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